BGM/XITRIC 様





   これは、ライフストリームの中にある、
不思議な世界での
不思議なお話です。


ある日、カダちゃんが森をお散歩していると、
   傷ついて倒れているモーグリさんに出会いました。






「何だコイツ・・・。生きてるみたいだけど。
あ、なんかピクピクしてる。もうすぐ死ぬかも。
まあボクには関係ないけどね。」

カダちゃんは無情にも、あっさり見捨てようとしました。

「・・・あ、でも。
母さんが困ってる人がいたら助けてあげなさいって、言ってたっけ。
コイツ人じゃないけど・・・まあいっか。
助けたら、母さん褒めてくれるかなあ。」

助ける理由がだいぶ間違ってはいますが、
カダちゃんは思い直して、
モーグリさんを助ける事にしました。

カダちゃんは3/7発売の、FF12ポーションを取り出しました。

「コレほんとは、ロッズの分なんだけど、
アイツのだから別にいいよね〜。
オイお前。コレあげるよ。」

モーグリさんはよろよろと差し出されたポーションを受け取ると
ゴクゴクと一気に飲み干しました。

すると、どうでしょう。
モーグリさんはHPが低かったようです。
みるみるうちに回復して、元気になりました。



「ありがとうございます。
あなたは命の恩人です。」
モーグリさんがカダちゃんにお礼を言いました。

カダちゃんは、
(何かコイツの顔、腹が立つなあ・・・)
と、思いましたが、あえてそこには触れませんでした。

「とびっきり恩に着たらいいよ。
それにしても人助けっていうのも、気持ちのいいものだね。
まあコイツは人じゃないけど。」


するとモーグリさん、
「あなたは優しい人です。
是非ともお礼がしたい。
そうだ。この二つの風船をあげましょう。」

と、赤色の風船と、青色の風船を差し出しました。






「・・・そんなのいらないよ。銀行のキャンペーンじゃないんだから。
そんな物よりもっと良い物ちょうだい。
CCに備えてPSPでいいよ。」

カダちゃんは自分にとても素直な子でした。
少し、あつかましいとも言います。

そんなカダちゃんにも気を悪くすることなく、モーグリさんは言いました。

「いいえ。この風船はただの風船ではありません。
ただ、一人では使えないのです。
大好きな人と使うこと。そうでなければ効果はありません。
きっと、あなたの大切な人は喜んでくれるはずです。」

大好きな人。
それはモチロン、きまってます。

「・・・
本当??
母さんと使ったら、母さんが喜ぶようなことが、
本当に起きるの?」

モーグリさんはしっかりと頷いて
(首があるようには見えませんが・・・)

「はい。
必ずあなたのお母さんは喜んでくれることでしょう。
ただし、この風船は、完全に夜になると使えなくなります。
夕方の間、ほんの少しの間しか効果がありません。
さあ、受け取って下さい。」

そう言って風船をカダちゃんに渡しました。





カダちゃんは
(夜までか・・・コイツ使えねー)
等と思いつつも、しっかりと二つの風船を受け取りました。
そして、モーグリさんにお礼を言いました。

「どうもありがとう。
・・・
でももし、つまらない物だったら・・・
久しぶりにボクの双刃が紅く染まることになるよ・・・。」

「(ヒイィ!!) 大丈夫です。
さあ急いで。もう空が茜色に染まり出しましたよ。」

カダちゃんはモーグリさんと別れ、一目散にお家に帰りました。





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「母さーーーーーーん!!」
カダちゃんは急いで家のドアを開け、晩ご飯の支度をしていたエアリスに、
まっすぐに飛び込んで行きました。

「おかえりなさい。カダージュ。
帰ったら手、洗ってって言ったでしょ?
あれ、手に何を持っているの?
風船、かな?」

エアリスは、カダちゃんの手にしている風船に気が付きました。

カダちゃんは、森で助けたモーグリさんの事を、
ちょっぴり大袈裟に、
ドラマチックに、
シネマチックに、
ファンタスティックに、
自分に都合がいいように説明しました。

そして言いました。

「だから、母さんがコレを持てば、
きっと良い事が起きるんだよ。
もう夕方。
夜になれば効果がなくなってしまう。
さあ早く、母さん!」

カダちゃんはエアリスに風船を渡しました。

すると、どうでしょう!

二人の体はプカプカと宙に浮かび上がったではありませんか!

そして、驚く暇もなく、二つの風船は
ライフストリームを超え、
懐かしい地上へと、
カダちゃんとエアリスを連れて来たのです!


「これは・・・
地上に戻れる風船、だったんだ・・・」





そう呟いて、カダちゃんはエアリスの方を
ちらり、と見ました。
エアリスは久しぶりの地上に、
とても嬉しそうです。

「クラウドに、会いに行けるかな?」

エアリスは、やはりクラウドの事が気になるようです。

「・・・兄さんはいいよ・・・」


カダちゃんは憮然としました。

どうやらこの風船は、エアリスにはとても嬉しい物でしたが、
カダちゃんにはそうでもなかったようです。


・・・ですが、
カダちゃんはエアリスのニコニコと嬉しそうな顔を見てると、
自分も幸せな気持ちになって来るようでした。
どうやらあのモーグリさん、血祭りにされずに済みそうです。

すると、どこからともなく、
血祭りにされずに済んだ、モーグリさんの声が聞こえてきました。

『さあ、時間は限られていますよ。
夜になれば、体は元の世界に戻り、
風船は消えてしまいます。
残念ながら、地上からはあなた達が見えません。
ですが、あなた達の身近な人ならば、
きっとあなた達を、感じる事が出来るでしょう。

どうぞ、今のうちに楽しんで下さい。』

二人は顔を見合わせ、
手を繋ぐと
紅く染まった空へと
消えて行きました。





二人がどこに行って、誰に会ったかは、
また別のお話。





END